●MISSING 本多孝好

とっても素敵なブログ仲間である うんぼぼ さんに薦められて
本多孝好の短編集『MISSING』を読んでみました。
この本には 五つの短編が収められています。
○眠りの海
○祈灯
○蝉の証
○瑠璃
○彼の棲む場所
うんぼぼ さん曰く 「涼しげな読後感」ということだったんですが
おいらには ちょっぴり重い 五つのストーリーでした^^;
でも どっぷりと「本多ワールド」に浸れて 充実した気持ちです。
うんぼぼ さん。ありがとうございました。
打ち上げられた夜の浜辺で 助け出してくれたであろうと思われる少年と
焚き火を囲みながら その状態になった経緯を語り始める三十代の教師。
「幽霊ちゃん」と呼ばれる 妹の不思議な友人のベールを少しずつ剥がしていく大学生。
老人ホームで 祖母が密かに思いを寄せる ある人物の過去を探るはめになる
失業中の青年。
幼い頃から 突如あらわれる自由奔放な従姉に振り回される 理学部生物学科の学生。
人気コメンテーターとしてもてはやされている 同級生の大学教授から
突然 相談を持ちかけられる私立の図書館職員。
どの主人公も 冷静に自分をも分析できるクレバーな男たち。
数奇な運命をたどる者と 数奇な運命を傍観する者。
「瑠璃色の目」をした 四つ年上の従姉との恋心を綴った『瑠璃』について 少しだけ。
幼い頃からお互いに思いを寄せ合うが結ばれることはない ふたり。
「その時」「その度」ごとに 乗り越えられない障害があるのだ。
それは 理性だったり どちらかに恋人がいたり。
恋愛には タイミングというか 縁というものがありますよね?
相手を思うばかりに 飛び越えられないのは 結局 自分が大切だからなのかも知れない。
従姉は すべてを越えて 「僕」の助けを期待していたのだろうか?
時と小学校の金網を「越えて」 真夜中のプールで泳ぐふたり。
唇を重ね合わせても 越えられないもの・・・
従姉の前では 子供に戻っていた「僕」。
恋心は 従姉にリードされて バランスを保っていたのかもしれない。
傷つき 羽折れた従姉を そして ついに「僕」は助けられなかった。
助けるポイントはなかったのか?読み返してみたりしましたが
それは おいらの人生もそうであるように 何度戻っても 「僕」が「僕」である限り
同じことの繰り返しだったろうと・・・
「人は常に 無意識にベストの選択をしている」
そんな 言葉を思い出しました^^;
●二人の夏
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